自己破産の準備をする際に、預金をどうするかという点が気になるところだと思います。

預金の取り扱いについては、2つの点で問題になってくるからです。

ここでは、それぞれの観点から預金の引き出しの可否やその影響についてお伝えしていきます。

凍結前に預金を引き出した方が良いケース

自己破産をする際、債権者の中に預金口座と関わりのある銀行が入っている場合は、弁護士から受任通知が送られた後、口座が凍結される可能性が出て来ます

一度、預金口座が凍結されると、保証会社の代位弁済が完了するか、免責が確定するまで凍結が解除されなくなり、長い時は数ヶ月預金口座が使えなくなってしまいます。

ですから、そのようなケースでは、受任通知が送られる前に、預金を引き出した方が良いということになります。

ただし、ここで気を付けないといけないのは、引き出したお金の使用目的は生活費や自己破産の費用などに限られるという点です。

ギャンブルや浪費目的で使うと、最悪の場合は免責不許可事由となってしまう可能性もあります。

いずれにせよ、引き出した預金をどのように使ったかは必ずチェックされるので、弁護士に相談しながら進められることをお勧めいたします。

20万円を超える場合は直前に引き出した方が良い?

自己破産を行なう際、所有している財産や現金は以下の基準を満たしていれば自由財産と見なされます。

  • 20万円以下の財産(預金・自動車・バイク・保険の払戻金など)
  • 99万円以下の現金

ここで問題になってくるのは、預金口座に20万円を超えるお金が入っている場合です。

その場合は、同時廃止事件ではなく管財事件として扱われ、裁判所に対して50万円以上(少額管財の場合は20万円以上)の予納金を支払う義務が発生してしまいます。

ですから、自己破産の直前に、預金口座からお金を引き出して99万円以下の範囲に収めておけば、自由財産として扱ってもらえると考える人もいるかもしれません。

しかし、このように自己破産前に現金化したとしても、引き出した現金は、現金ではなく預金として扱われてしまいます

具体的には、自己破産の申請を行なう際は、必要書類として

  • 家計簿(直近1~3ヶ月)
  • 預金通帳(過去2年間分)

の提出が求められるので、そこでお金の流れがしっかりチェックされることになります。

もちろん、そこで貯金を隠すような行為を行なうと、免責不許可事由に該当して免責を受けられなくなってしいますのでご注意下さい。

自由財産の拡張が認められる場合も

しかし、その一方で預金の残高が20万円を超えていても、それが破産者の生活に必要不可欠だと判断された場合は、自由財産の拡張という観点で、所有が認められることもあります

ただ、自由財産の拡張と判断されるかはどうかは、財産の状況だけでなく、管轄の地方裁判所によっても対応が異なりますので、必ず弁護士に相談されることをお勧めいたします。