自己破産をする時に、ついつい魔が差して、預金や通帳を隠そうとする人が時々いらっしゃいます。

しかし、もし、そのことがバレてしまうと、かなり悲惨なことになってしまいます。

ここでは、法律の観点から起こってしまうことについてお伝えしていきます。

貯金や通帳を隠していたのがバレるとどうなる?

もし、貯金や通帳を隠していたことがバレた場合、大きく分けると2つの観点で問題が起こります。

免責不許可事由に該当する

貯金や通帳を隠すことは、財産の隠匿となり、それは、破産法第252条第1項の免責不許可事由にある以下の項目に該当します。

【破産法第252条第1項】
裁判所は,破産者について,次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には,免責許可の決定をする。
1.債権者を害する目的で,破産財団に属し,又は属すべき財産の隠匿,損壊,債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をしたこと

免責不許可事由に該当した場合は、免責が受けられなく可能性が出て来ますし、免責が受けられないと、すべての借金が元に戻ってしまいます

詐欺破産罪に該当する

さらに財産の隠匿が悪質である場合は、破産法第265条で指定されている詐欺破産罪に問われる可能性があります。

【破産法第265条】
第1項 破産手続開始の前後を問わず,債権者を害する目的で,次の各号のいずれかに該当する行為をした者は,債務者(相続財産の破産にあっては相続財産,信託財産の破産にあっては信託財産。次項において同じ。)について破産手続開始の決定が確定したときは,十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する。情を知って,第四号に掲げる行為の相手方となった者も,破産手続開始の決定が確定したときは,同様とする。
1. 債務者の財産(相続財産の破産にあっては相続財産に属する財産,信託財産の破産にあっては信託財産に属する財産。以下この条において同じ。)を隠匿し,又は損壊する行為

詐欺破産罪に該当すると、貯金や通帳を隠すと免責を受けられなくなるかもしれないだけでなく、10年以下の懲役、または1000万円の罰金、またその両方が科せられてしまうリスクがあるのです。

もちろん、そのような事態になれば、弁護士は辞任をするでしょうし、あなたを助けてくれる人は誰もいなくなってしまいます。

ですから、バレるかどうかという以前に、バレたら最悪の結果を招く可能性があるということを十分自覚した上で、決して危ない橋を渡らないようにして下さい。

口座調査や財産調査について

自己破産の申請を行なう際は、資産目録(財産目録)を作成することになりますし、過去2年分の通帳のコピーも報告することになります。

使っていない口座のコピーも提出する必要があります。

裁判所によっては、本当に長期間使っていないことを明確にするために、一度、少額の入金をするよう指示することもあります。

また、使っていない口座は解約をしてしまった方が分かりやすいので、弁護士から解約を勧められることもあります。

ネットバンクは、通帳がありませんが銀行に依頼をして、過去2年分の取引明細を取り寄せることが可能です。

そして、通帳以外にも収入や資産が分かる書類を提出して、財産調査がされます。

自己破産では書面を通じた形で、口座調査や財産調査が行なわれますが、そこでお金の流れは徹底的に調べられるので、貯金や通帳を隠していると、不自然なお金の流れが生まれて、バレる可能性は高いのです

貯金や通帳は正直に申告するのがベスト

自己破産をする際に、最も重要な心構えの一つに“ウソをつかない”という点が挙げられます。

債務者が過去に借金を繰り返してしまったことを真摯に反省すれば、ほぼ100%の確率で免責を受けることは可能です

しかし、単なる申告漏れではなく、意図的に貯金や通帳を隠すという不誠実な対応を行なうと、免責を受けられなく可能性が高くなってしまいます。

実際に、自己破産をする場合、20万円以下の財産と99万円以下の現金は手元に残せるので、その範囲を超えないのであれば、お金を隠す必要がありません。

ですから、貯金や通帳は下手に隠そうとするのではなく、弁護士に正直に申告をしながら相談されることをお勧めいたします。